なんだか今日は、人出が多いような?、小焼けです。

みんなきのうは、外出を控えていたのかな。
いずれにしても、今日もさびーぃ。

さて、またまた外国の昔話絵本を。

おどる12人のおひめさま<新版> [ エロール・ル・カイン ]
おどる12人のおひめさま<新版> [ エロール・ル・カイン ]

絵を描いたエロール・ル・カインは噂によると、東洋人の血も
受け継いでいる方のようですが、むしろ東洋的な、というより
日本人好みの“かわいい”系のエッセンスは
カケラもない、絢爛豪華な衣装背景、その画力に圧倒されます。

しかし。
私が話題にしたいのは、グリムさんの書き記したストーリーなので。

・・・王さまは悩んでいました。
お城の寝室で眠っているはずの12人のお姫様の靴が、毎朝
まるで一晩中踊り明かしたかのように、ボロボロになっているのです。
王さまは、真実を突き止めようと決心しました。

「姫たちが、どこで踊っているのか突き止めた者には、褒美として
姫の一人と結婚させよう、そして将来国を継がせよう」

身分の高い王子さまたちが何人も名乗りでますが、姫に眠らされて
失敗ばかり。
 
ある日、戦争で足を怪我し、兵隊をお払い箱になった貧しい男が
王宮へと歩いていました。
そこへ、一人のおばあさんが来て 「おめぐみを。」
兵隊も貧しかったけれど、おばあさんに施しをします。
そして。
おばあさんから、お姫様たちの謎を解くためのヒントと、
姿が見えなくなる魔法のマントを、譲りうけます。

貧しい男は、まんまとお姫様たちを尾行することに成功し、
姫たちが、地下の湖畔に建つりっぱなお城で12人の王子さまたちと、
夜中まで踊り明かしていることをつきとめます。
その事実を、証拠の品とともに王さまに報告し、めでたく一番上の
お姫様と結婚し、幸せに暮らしました。

さて。
貧しい男は、なぜ魔女とおぼしきおばあさんと出会うことができたのか?
足に問題を抱えていたからに、違いありません。
りっぱな王子さまたち…お金も権力も余りあるほど持っている人たちに
なくて、兵隊をお払い箱になった男が持っていたモノ。

それこそが、異界へと通じることのできる能力だったのです。

まあ、逆シンデレラストーリー、ですかね。

それにしても、一番最後のページを是非お忘れなく見て下さい。
文字はありません。
もうお話しはめでたし、めでたしで終わった後のページです。
突然お姫様たちが来なくなって、嘆き悲しんでいる12人の王子さま。
この表現部分は、エロール・ル・カインのオリジナルなんじゃないかな、
と感じました。


二足歩行をするように進化した人類にとって、一本の足の機能を失うことは
死活問題、ともいえます。
ギリシア神話のオイディプス王の名前は、「足を怪我してる者」という意味を
持ちます。
そして、あの有名なスフィンクスとの謎かけ問答を覚えていますか。
「朝に4本足、昼に2本足、夜に3本足となるモノは何?」
誰も解けなかったこの謎かけを、オイディプスは易々と解いてしまいます。

足に問題を抱えるという名を持つ者が、冥界の番人スフィンクスを斃す。

おやおや。
昔話が意外なところで神話と繋がってきました。
でも、昔話も神話も、発生の時期を石器時代にまで遡れるとすれば、
不思議でもなんでもありませんね。



うちのスフィンクス。

スフィンクス

スフィンクスって、顔は人間、身体はライオンなんだけど。
うーん。
無理がありすぎ。。。。


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